思い出話といえます。二十代の時、友人と平戸に一泊旅行しました。長崎市の時津という町は、大村湾に面し、そこから九十九島を見ながら平戸まで行ける船が出ていました。さわやかな快晴でした。空も青く海も青い。
緑の島が、大小さまざまな姿を見せながら、動きます。船の音と船が波を切る音、一時間ほどだったでしょうか、私の気持ちはとても穏やかでした。
平戸に着き、静かな佇まいの街並みを歩きました。目の前の小さな湾を見ながら、漁船の音を聴きながら、これまた気分が良かった。薄暮の時間が近付いた頃、凪の水面を眺めていました。小さな魚が跳ねます。跳ね方が少し変わっていました。時々50センチほど飛んでいました。飛び魚の稚魚でした。
豊かで、美しい海、静かな町。来てよかったと友人と話したのでした。その友人が男性だったのか女性だったのかはご想像にお任せします。ヒントですが、私はその人のことをなかなか忘れられなくて、歌まで作ります。
その夜は、月まで輝いていました。 |